わたしの叔父は弁護士で、高給取りでしたが、性格が少し変わった人で結婚相手には恵まれませんでした。その叔父が末期がんを患い、あれよあれよと言う間に病状は進行し、あっけなく亡くなってしまったのです。叔父にはわたしの父を含め4人の兄弟がいました。
叔父は弁護士だったにも関わらず、自分の財産についての遺言などは、一切残していませんでした。もしも残してくれていたら、こちらはどれだけ助かったか、と叔父に言いたい気分です。
残された遺産があまりに莫大だったので、その取り分を巡って醜い骨肉の争いが始まってしまいました。結局、わたしの父はそんな争いに嫌気が差し、相続を放棄しました。優しいと思っていた、他の兄妹のダークな一面を見させられて、父は相当なショックを受けた様です。
お金が人を狂わせる例を、自分の身内から見させられるとは思ってもいませんでした。